認知症とは
認知症は、記憶を含む複数の認知機能が後天的に低下して、社会生活に支障を来たすようになった状態のことで、脳血管性認知症など幾つかの原因で起こる病気です。多くは、加齢に伴うアルツハイマー型認知症です。
ご承知の通り、日本では超高齢社会の到来により、認知症の患者数も急増しています。アルツハイマー型認知症は、症状が軽いうちに治療を開始して適切な治療を行えば、症状の進行を遅らせることも可能です。
認知症は、ご本人が気づいて医療機関を受診されるケースもありますが、それ以上に多いのは、ご家族が日常生活の異変に気付き、生活上のトラブルなどが増えて受診されるケースです。
認知症の治療
アルツハイマー型認知症の薬物療法には、認知機能を増強して中核症状を少しでも改善し、病気の進行を遅らせる治療と、周辺症状を抑える治療があります。
また、お薬以外の手段によって脳を活性化し、残っている認知機能や生活能力を高めていく方法もよく行われます。認知症と診断されても、ご本人にできることは、たくさん残っています。
まずは、家庭内でご本人の役割や出番をつくって前向きに日常生活を送ることが大切です。昔の出来事を思い出してもらう、無理のかからない範囲で書き物の音読や書き取りを行う、音楽を鑑賞したり演奏する、花や野菜を育てる、自分と自分のいる環境を正しく理解する練習を重ねるといった方法も効果的です。
なお、介護保険制度を利用し、ご家族の負担を軽減していくことも重要です。